ゲームエフェクトデザイナーのブログ | A Real-Time VFX Artist's Blog

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勉強会でHDMIビデオキャプチャーとマイクを使用してみた

勉強会なんかでノートPCで(もちろんデスクトップPCの場合も)アプリケーションを操作しながら解説したり、パワーポイントを流しながら講演するような時に、デスクトップ画面と音声を同時に収録したかったりします。
それも、画面と音声を別撮りして動画編集ソフトでタイミングを合わせて合成する手間を省くためにマイクで拾った音声を動画に直接ミックスして欲しい。

そんな時の方法を2つメモ代わりに書いておきます。

デスクトップキャプチャーとマイクを使用する方法


ノートPCにデスクトップキャプチャーソフトをインストールし(ここではBandicamを使用してテストしてみました)、マイクから入力した音声をミックスする設定にします。

Bandicamの場合、設定方法は公式サイトにありました。

この方法で無事に音声入りでキャプチャーできました。

ただ、ノートPCにHDMIケーブルを挿して液晶ディスプレイに繋げると、Bandicamでキャプチャーした動画にマイク音声がミックスされなくなりました。このあたりはコントロールパネルのサウンド設定あたりで対処できるのですかね?

ただ、自分のノートPCを使う場合は良いのですが勉強会等で他の講演者のノートPCにキャプチャーソフトを入れてもらうという訳にはいかないですし、ノートPCのスペックが十分でないとUE4やらHoudiniやら動かしながら録画もするのはしんどいかも知れないので、こちらの方法は3DCG系の勉強会向きでは無いかも。

逆に言えば、社内の自席のデスクトップPCでチームメンバーに共有するような時に良いと思います。ちなみに試してませんが、Skypeフリーソフトの連携でデスクトップ画面を共有した状態で録画&録音することもできるようです(調べてないです)。

HDMIビデオキャプチャーを使う方法


もうひとつはノートPCからHDMI出力した映像をキャプチャーする方法です。
ビデオキャプチャ」で検索すると、ゲーム録画用途のものが色々と出てきます。
商品ラインナップが充実しているのには、Youtubeニコニコ動画でゲームプレイ映像をアップする文化の影響が大きそうです。

その中でもポピュラーなのはAVerMedia製品になるのでしょうか。
種類も多くどれを選べばいいのか最初は悩みました。
ですが4GamerのレビューAmazonの低評価レビューを見ていると自分の用途と合わない要素がどんどん明らかになってきて1つに絞ることができました。

4Gamerのレビューはこちら。

PCレスキャプチャデバイスの進化形「AVT-C285」レビュー。実況動画作成や簡易編集,スマホアプリまでを総チェックしてみた - 4Gamer.net

ゲーマー向けのビデオキャプチャデバイス「AVT-C875」レビュー(前編)。HDMIにも対応したPCレス録画ツールの実力を検証する - 4Gamer.net

約1万3000円で買えるHDMI入力のみのビデオキャプチャデバイス「ER130」がAVerMediaから - 4Gamer.net

遅延を気にせず「ながら録画」できて,「テレビなしの据え置きゲーム機ライフ」も実現。USB 3.0接続のビデオキャプチャデバイス「GC550」を試してみた - 4Gamer.net

AVerMediaのビデオキャプチャデバイス「GC550」再テストレポート。プレビュー表示には4〜5フレーム相当の遅延があった - 4Gamer.net

4Gamerの方では実用面での丁寧なレビューがとても参考になります。
それと、Amazonの低評価レビューについてもざっと目を通した方が良いですね。。
購入者側の見落としや落ち度も多分に含まれていると思うので鵜呑みにしないよう注意が必要ですが、レビュー見ずに購入してたらハマっていたであろう落とし穴についても知ることができました。

◆種類について

勉強会向けに探しているので当然、デスクトップPCに内蔵するキャプチャーボードではなく、自分のPCだけでなく他の人のPCからHDMI出力したものをキャプチャーできる製品が購入ターゲットになります。

その中でも大きく分けて下記のように分類ができます。

① 録画した動画をPCに出力するもの / 動画を本体に繋いだHDDやUSBメモリに保存するもの(PC不要とかアプライアンスタイプと謳われる製品)

HDMIの映像とマイク音声を同時に収録できるもの / できないもの

①に関しては、キャプチャー機器単体で動画を保存できるものの方が良いと思いました。
というのも理由はいくつかあり、PCとUSB接続して利用するタイプではUSB3.0のみ対応(2.0非対応)の製品が目立つので勉強会の現場で使えないことが発覚するケースがありそうというのが1つ。また、PC側の入力ポートが3.0でも相性問題で入力できないというレビューをよく見かけました。
また、この相性問題では最悪の場合HDDの全データの消失に繋がるケースもあるようです。自身のノートPCならともかく、他の講演者のノートPCでそんなことが起きたら大変ですし責任も取れません。
加えて、録画ソフトをインストールする必要があるので他の講演者のPCにインストールしてもらう訳にもいかないですし、PC接続タイプはどのみち対象外ですね。。

②に関しては、HDMIから入力した映像とマイクの3.5mmステレオミニプラグから入力した音声を同時に収録可能な製品は限られます。案外ニーズは少ないのかもですね。
注意しないといけないのは、HDMIコンポーネントケーブル両対応している製品で、コンポーネントケーブル接続時のみマイクの収録が可能なタイプ。
例えばこちらなんかは古い製品で価格も安くAmazonで購入できるものの、HDMI接続時はマイクの音声を合成できないようです。また、低評価レビューを見ると15分しか録画できないとか色々と書かれています。

◆その他の注意点

注意が必要なのは、ビデオキャプチャー機器全般で壊れやすい印象を受けるレビューが多かったことです。小さくて軽いものは雑に扱いがちかも知れませんが、精密機器だと思って慎重に扱った方が良いと思いました。電源ON/OFF周りも説明書の手順通りにした方が良さそう。あと自分の場合は持ち運ぶのでクッションが効く状態で収納することも気を付けたいところです。
加えて言えば、初期不良の場合は面倒がらずに返品・交換依頼することでしょうか。

◆最終的に選んだのは‥

最終的に選んだ製品はAVerMediaの「AVT-C285 ゲームレコーダー HD II」です。

AVT-C285|ゲームレコーダー|AVerMediaアバーメディア

自分の場合には、HDDを内蔵させる要素はいらない・YouTubeアップロード機能いらない・動画編集機能いらない・PCで録画する機能はいらない・本体がでかい‥といったあたりが不満なので、HDD内蔵スペースとLANケーブル入力を削ったもう少し安価でコンパクトな製品があったら嬉しかったのですが。。
コンパクトなものは前述の①②の理由で良いものがありませんでした。
同じAVerMediaの会議用の製品も気になりましたが3万円だったので諦めました。

勉強会用に持ち運ぶ前提なので、6000円程度の120GBのSSDヨドバシカメラで購入して内蔵させました。SSDにしたのは衝撃と熱それぞれの耐性の理由からです。内蔵できなくてコンパクトの方が良いと書いたばかりですが、内蔵しっぱなしだと準備の手間が減るのでこれはこれで良いですね!
AVT-C285へのSSD/HDDの取り付け・取り外しはとても簡単で、SSDを買うついでに2000円ほどのUSB接続のHDDケースを買ったので、他マシンへの動画のコピーも楽でした。

◆使用感

肝心のPC画面の録画&音声収録に関しては、今のところ2台のノートPCで試してどちらも特にトラブル無く綺麗に収録されていました。滑り出し好調です。長く使っていけるのかはまだ分かりませんが、ヨドバシカメラで買って延長保証を申し込むとより安心かも知れないですね。

1点気になったのは購入して自宅でテストした時に、30分程度の稼働の中で5分程度の録画を行っただけで本体がものすごく熱くなったことです。電源をOFFにして本体を触った時には、フタを開けてSSDを触るのは無理だなと思ったくらい熱かったので長時間使用できるのか不安になりました。ビデオキャプチャーに故障や動作不具合のレビューが多い印象なのもこのあたりが関係するのでしょうか。
ただ、勉強会当日では冷房の利いた会議室で3時間稼働してもそこまで熱くなっていなかったので少し安心しましたが、ちょっとモヤっとするものが残ります。
場合によっては保冷対策を練る必要があるのかも‥?

それから作成される動画についてですが、MP4エンコードされた状態になっていて画質は非常に綺麗です。初期設定の最高画質で解像度は1080p、約3時間の収録で10GB程度。120GBのSSDで勉強会10回分は撮り溜めできそうなので十分と思いました。

◆マイクについて

ちなみにマイクはaudio-technicaの無指向性の「AT9920」をAmazonで6000円ほどで購入。

audio-technica ステレオマイクロホン(バウンダリー) AT9920

audio-technica ステレオマイクロホン(バウンダリー) AT9920

 

マイクはほとんど時間をかけて調べてはいませんが、サイズが小さいこと、評価が高く20名くらいの会議でもしっかり録れる等のコメントがあったことからこちらに決めました。実際にファーストインプレッションとしてはそこそこ好感触です。スクール形式で16名ほど収容可能な会議室でマイクは前の方に置き、後ろの方に座っている人の声も聞き取れました。マイクは1000~2000円くらいのものもありますが、安い製品ものだと近距離の声しか拾わなかったりノイズが目立ったりするようです。