レポート前半に続いて後半。
初日と2日目を分けずにそのまま書いています。
※私以外のメンバーの作業内容は大まかにしか把握してなかったので間違った箇所があったらすみません
◆プレイヤー
ヒライさん荻野さんペアでInfinity Bladeの無料アセット「Infinity Blade: Warriors」からプレイヤーキャラクターをピックアップし、アニメーションを探します。
しかし攻撃モーションが無いことが判明!
この時点ではヒライさんの方でblenderでアニメーションを作成するか、またはMixamoアニメーションパックあたりからアニメーションをリターゲットで流し込むかといった話が展開していました。
結局ここはエフェクトで攻撃を見せることになります。
困った時に良いアイデアなのではと思います。
プレイヤーと言っても、HPの管理面やボタン入力によるエフェクトの表示&攻撃の設定といったあたりを含めてこなされていました。
◆エネミー
こちらは暇人さんゴトウさんペアが担当。
手始めに無料アセット「Infinity Blade: Adversaries」からクマのキャラクターをピックアップ。こちらはアニメーションが付属していました。
▼プレイヤーとエネミーのアセット(ⓒ Epic Games)
まずは歩きモーションを再生しつつプレイヤーを追いかけるところからスタート。
レベルに設定したナビメッシュを基に迂回する様子をチェック。
#KansaiUE4Jam クマに追われる! https://t.co/kpSlsHAp38
— 暇人(ゲームプログラマー) (@hima_zinn) 2015, 10月 12
AIには難度の高そうなビヘイビアツリーを使用しつつも順調な滑り出しを見せましたが、ここから必要な実装も多く、数多の困難が暇人&ゴトウペアを襲いました。
プレイヤーを攻撃してダメージを与える、またプレイヤーから攻撃を受けたらダメージアニメーションを再生してその場に停止して消滅、リスポーンなどなど。
#KansaiUE4Jam AIに止まれって言ってんのに止まらないバグが出たまま1日目終了。 なおせなかった。 くそぅ。
— 暇人(ゲームプログラマー) (@hima_zinn) 2015, 10月 11
作業の合間には「ダメージを受けて倒れたクマが死体状態のまま消滅までの時間、プレイヤーに向かって動く」‥といった症状が出たりなど、絶えず苦労している様子から2日でゲームを1本作ることの大変さを間近で認識することができました。
◆レベル
イマニシさんと私mokoはマップ制作を担当。
チーム内で話し合った結果「Infinity Blade: Grass Lands」をベースにすることに決定。
まずは完成レベルを開いて、背景物がどんなパーツで構成されていて、空やライトやフォグやポスプロがどんな設定かをざっと調べます。
大量のパーツで構成されていたため、自由なマップを作れる手応えを感じ、そこからはイマニシさんと自分とでそれぞれ好き勝手にマップを作っていきました。
何はともあれテストマップが必要と思い、早めにシンプルなロケーションを用意して暇人さんに渡しました。段差チェックのためのスロープや、最初のディスカッション時に攻撃で敵を吹き飛ばして下に落とすアイデアもあったため、落下できるよう柵を外した場所も用意。最終的にこのマップは「ステージ1」となりました。
その後は空・フォグ・ライト・環境光や被写界深度など試しにいじりながら夜バージョンなど作ってみたりしました。楽しいですねー。
それから別バージョンとして細い通路のあるマップを作ってみました。
イマニシさんが隣の席で広くて高低差が大きく入り組んだマップを作っており、遊びのチェックや楽しさ面でとても良さそうだったので、自分の方では見栄え良くする方向を模索していました。
そこから寒い感じにアレンジしてみたり。
こちらが最終的に「ステージ2」になりました。
色々いじると雰囲気がガラリと変わって楽しいものの、ちゃんとコンセプトを練って行わないと着地点が見えず収拾が付かないですね。。
ですが積雪マテリアルや積雪デカール、吹きすさぶ風を表す煙の配置など色々と試すこともできたのでそちらはまた別に記事を書こうと思います。
HDRテクスチャはこちらのサイト様より使用させていただきました。
aokcub
https://aokcub.net/
Twitter: aokcub_cg / Skype: aokcub3055
e-mail: aokcub3055 AT http://gmail.com
イマニシさんのマップはこちら。
霧の立ち込める森あり・入り組んだ迷路あり・高低差が楽しめる足場ありの豪華なマップ!
こちらは反対側からのスナップ。足場が入り組んでいて楽しい。力作です‥!
最終的に「ステージ3」となりました。
◆メニュー
荻野さんはプレイヤーを手伝いつつも、後半にはタイトル画面・ステージセレクト・スタッフクレジット画面・ゲームオーバーといった必要な画面の用意と遷移を担当。
頼もしい限りでした。
◆エフェクト
自分は後半はエフェクトの見栄え向上を行いました。
ヒライさんが「Infinity Blade: Effects」から貯めと発動の2つのエフェクトをピックアップ&実装していたので、そのエフェクトをいじって差し替えてもらいました。
▼貯めの様子
▼発動の瞬間(リング状の歪みを入れてみたり)
▼こちらが流用元のエフェクトアセット。
◆サウンド
ゴトウさんはエネミーを手伝いつつも、後半はSEとBGMの選別を担当。
攻撃SEやBGMが入るとゲームの出来栄えがぐっと上がって感じますね!
BGM, SEはこちらのサイト様より使用させていただきました。
音楽素材提供:Music-Note.jp
URL:http://www.music-note.jp/
音楽素材提供:効果音ラボ
URL:http://soundeffect-lab.info/
◆なんとか完成!
という訳で以上のように分担しつつ進めていきました。
ゲームタイトルは、使用したアセットの元ゲームから「Inifinity」の冠を頂きつつもクマが延々と出現することにちなんだ「INFINITY BEAR」に決定!
完成作品はこちら。
【関西】 UE4 GameJam #atnd #KansaiUE4Jam https://t.co/ooPm5obsQz チームA(暇人チーム)が作成した『Infinity Bear』の動画を公開しました! https://t.co/BNRK4kjhdX
— 暇人(ゲームプログラマー) (@hima_zinn) 2015, 10月 12
タイトル画面からゲームオーバーまで一覧の流れが入っていて、夜は撤退して2日間という制限の中では上出来なのではないでしょうか!
初日開始直後に悠長にお好み焼きを食べに遠征するAチームでしたが、フタを開いてみれば非常に良い感じに手分け&協力しながら開発できたのではないかなと。
「ネタに走るかどうか」の話題も出ましたが、まずはちゃんと動くものを作ろうということに終始した堅実チームだったように思います。
(逆に言えば+αを盛り込む余力が無かったとも‥!)
大変勉強にもなりましたし、非常に充実した2日間でした。
暇人さんのこちらの一言そのままです。
#KansaiUE4Jam ゲームジャムはアドレナリン出まくり。 自分のスキル上がりまくり。 そんな感じ。
— 暇人(ゲームプログラマー) (@hima_zinn) 2015, 10月 11
それから、高品質なアセット様様という感じでもありました。
こちらのおかげで手早く遊びを試せるだけでなく、しょっぱなから高いテンションを維持しながら作業することが可能!これは大きいと思います。
それにUE4全く触ったことが無くても、レゴブロックを組み合わせるようにマップを作ることができるので、GameJam参加に対して「MayaとかノートPCに入ってないし」「アセットとか作れないし」と身構える必要はありません。
という訳で参加されたみなさまお疲れさまでした!
また次回開催されたら参加したいですね。今回参加されなかった方もぜひ!
◆その他
UE4.9.2を使って気付いたことがいくつかあります。
・マテリアルの両面設定が効かない?
・マテリアルのリフラクション(屈折)が効かなくて困った
Blend ModeをAddtiveにするといけた(前からそうでしたっけ‥覚えていない‥)
・DynamicParameterノードに初期値が設定できるようになっていた!
便利!だけどcascadeでDynamicモジュールを入れないとデフォルト値が効いてしまう‥
(おまけへつづく)