ゲームエフェクトデザイナーのブログ | A Real-Time VFX Artist's Blog

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勉強会開催のすすめ

近年、勉強会も大きなものから小さなものまで頻繁に開催されるようになってきましたが、横の繋がりも広がって欲しいですし、企業さんだけでなく個人レベルでの勉強会もどんどん増えて盛り上がっていくと良いなあと思ったりします。

とは言え、どうやって人を集めればいいのか、場所はどうすればいいのか、準備はどうすればいいのかなど開催したことが無いと不安も色々あると思います。

そこで、主催する際のポイントについてまとめてみました。

内容を決める


一番大事なのは当然ながら内容になります。
講演を行うのか、ディスカッションするのか?
メイキング動画やGDCCEDECの資料、またslide shareで公開されているスライド、または参考とするゲームの動画などをみんなで見る会・ゲームをプレイする会‥というのを小規模でやるとかでも全然アリだと思います。

講演にする場合


自身で講演を行うのであればスライド作成といった資料の準備が必要になります。
しゃべり慣れているのであれば、スライドを用意せずトークのみ、または動画を流しながらトーク、実演しながらトークといった手もあります。

スライドを作成した場合は、講演時間をスライドのページ数で割って大よそのペース配分を計ると良いです。情報の詰まり具合にもよりますが、1ページ30秒を切る場合はハイペースを心掛ける必要が出てくるように思います。

実演の場合「いつものようにうまくいかない」というトラブルはよくあるものなので、事前に手順を録画して当日は動画を再生しながら説明するだけで済むようにしておくと安全で時間配分もやり易いです。
ですが実演なら質問に対してその場で実演しながら回答するといったことが可能です。

講演者を探して依頼する場合は、開催予定日よりなるべく早く‥最低1ヶ月前には相談した方が良いでしょう(1ヶ月前ではかなりギリギリだと思います)。
主催者は講演せず、主催者がぜひとも聞きたい内容を依頼するといったことも可能です。
そして講演頂けることになった時には、主催者冥利に尽きる!と思えます。
その際に謝礼についてや、遠方から来て頂ける方への交通費のお支払いについても明らかにしておきましょう。

引き受けて頂けた際には、定期的に打ち合わせが必要です。
また、以下のようなことについて開催日までに確認するようにしましょう。

・ノートPCは自前で用意して頂けるか?
・ノートPCの出力端子について(会場のプロジェクタが対応しているか?)
・スライドを使用しての講演の場合、後日公開して頂けるか?
・参加者による写真撮影はOKか?
・参加者によるtwitter等への内容の投稿はOKか?
・主催側によるビデオ撮影は可能か?また、後日アップOKか?

ディスカッションにする場合


ラウンドテーブル(RT)のように何か議題について意見交換する場合は、うまく場を盛り上げつつまとめる進行役の方が不可欠です。
主催者に進行役の自信が無い場合はファシリテーターに向いている方にお願いするという手もあります。

また、議題については当日会場でいきなり質問するよりも、告知の際など事前に聞いておいた方が良いでしょう。後述する「ATND」や「Doorkeeper」などにもアンケート機能がありますし、「アンケートツクレール」のようにアンケートを作成できるサービスもあります。

事前に聞いてもあまり返事が来ないこともありますが、それでも議題は何か無いか意識してもらえるきっかけになると思います。

当日に会場で議題を聞く場合、いきなり挙手形式で聞いてもなかなか手が挙がらなかったりするので、大きい付箋とペンを机の上に置いて15分ほどの長めの休憩時間を取り、その間に自由に書いてホワイトボードにどんどん貼っていってもらう・・といったような形がスムーズでした。
そしてまずは同じような議題の付箋をまとめてしまい、「参考にしているゲームのタイトルは?」のような意見が挙がり易いものから取り上げて場を温めるのがポイントです。
議題にはまとめるものが難しく時間をかなり消費するものもあるので、ペース配分を考えて次へ次へと進めていくのも大事だと思います。

また、テーブルなしの場合はネームホルダー・テーブルありの場合はネームプレート(紙を三角に折るだけで良い)を用意すると良いです。その際に職種(アーティスト、プログラマなど)が一目で分かるように紙の色で判別できるようにすると尚良いです。

経験上、ディスカッションは人数が多いと1人1人の発言機会が減って盛り上げるのが難しくなります。20名を超えた場合には思い切って2テーブルに分けたりしました。
しかしそうすると隣でどんな意見が交わされているか分からず気になるので、二度目の時には終了後にどんな意見が出たかを各テーブルごとにファシリテーターが発表するようにしました。
ただしテーブル同士が近すぎると声が聞こえにくくなったりするのでレイアウトには注意しましょう。

議事録として文章化(固有名詞は伏せた上で)して後に共有するという形を考えたこともありますが、アンケートを取ると賛成反対で真っ二つに割れました。発言しにくくなるとも思うので実施は難しいと思います。

会場の確保について


主催して最も大変なのが会場を探すことです。

貸し会議室を借りる場合、交通の便が良くてリーズナブルなお値段の会場になると、土日は2ヶ月先まで予約で埋まっていたりします。
例えば新大阪や梅田で60名以上収容可能な会場を探すと、休日に5時間借りて8万円前後したりします。
参加費で賄う場合、参加者が少ないと1人の負担額が増えるので主催側はかなりハラハラしますし、費用を事前に決めてしまうと赤字になって主催者が負担するリスクが出てきます。

なのでもしも相談できる知り合いがいるのなら、企業さんの会議室や、大学や専門学校の教室などお借りできないかを相談するのが、個人で主催する場合は一番良いようにも思います。
(関西で勉強会を開きたいという方は管理人までメールを頂ければご相談に乗りますっ)

ちなみに、貸し会議室を利用する際にはデスクトップパソコンやディスプレイといった大きな荷物の郵送にも対応して頂けたりもします。

また、会場では以下のことについて事前に確認しましょう。

・プロジェクタがあるか?ある場合は機種(特に対応解像度と映像入力端子)
・プロジェクタとPCを繋ぐケーブルはあるか?
・プロジェクタスクリーンのサイズ
・マイク(実演ありの場合はスタンドまたはピンマイクもあった方が良い)
 講演でQ&Aを設けたりする場合には2本欲しかったりも
・インターネット環境はあるか?(Wi-Fi、LANケーブル)
・延長ケーブルはあるか?
・会場では飲食可能か?(例:ペットボトルなど蓋付きの飲み物ならOK)

懇親会について


イベント会場を抑えるのと同じくらい懇親会の手配が大変で、毎度懇親会を無しにしてしまいたいという衝動に駆られます‥!
ですが懇親会への参加自体は好きですし、参加者間での親睦が深まるよう企画し続けていきたいところです。

居酒屋を予約する場合はコースにしないと料金を固定化できません(少人数なら一定額で注文をストップしてもらうような相談も可能ですが、大人数の場合はコースでお願いしますと居酒屋さん側から言われたりもします)。
コースだと懇親会に参加する人数を事前に確定する必要があるのでこれまた結構大変です。
また、イベント会場からあまり遠くない場所にしないと道に迷う人も出るので注意が必要です。

イベント会場が飲食可能な場合や、学校で飲食可能な場所をご提供頂ける場合には、オードブルやピザ等を手配して立食形式で行うといったことも可能です。
その場合、オードブルの注文は前日までに予約が必要だったりするので、それまでにある程度参加者数を見積もって少し早めに予約しておくようにしましょう(前日に電話が繋がらなくてピンチに陥ったことがありました。その時は当日の朝にお願いして対応して頂けましたが、余裕を持った方が良いですね!)。

宅配ならばある程度人数が変動しても大丈夫なので、おおまかな見積もりで依頼できます。ピザは当日でも注文できますし、居酒屋と比べてとても気が楽です。

告知と参加者の管理について


TwitterFacebookYahoo!等のアカウントが利用可能な「ATND」が手軽に登録できてよく活用されている印象があります。

イベント開催支援ツール アテンド : ATND

しかし、事前に「懇親会に参加するか?」といったアンケートを回答必須で設定したり、「twitterFacebookのIDを知られたくないので参加者リストに名前を表示したくない」という人に参加者名を隠す設定が無かったり、事前にお金を徴収することができなかったりと、機能も限られます。
かといって会員登録が面倒なサービスだと参加者の方に敬遠されてしまう危惧があります。

そこで最近友人に教えてもらったのが「Doorkeeper」です。

セミナー・勉強会・イベント管理ツール | Doorkeeper

こちらはATNDのようにTwitterFacebookとアプリ連携するだけで利用できますし、それらアカウントの無い方も名前とメールアドレスの入力だけでイベントに申し込みできます。

また、参加者が自身の名前をイベントの参加者一覧に表示しない設定が可能です(参加者数の表示にはちゃんとカウントされる)。
そして事前アンケートを「テキスト」「プルダウン」や「ラジオボタン」など複数の形式で設立でき、必須回答にも設定できます。
参加者はアンケートの回答内容をいつでも自由に変更可能なので「懇親会に参加する」「参加しない」といった回答も後から変えることができます(同様のサービスはPeatixなど色々ありますが事前徴収のイベントしか立てられない?感じだったのでまだ利用したことがないです)。

PayPalアカウントを設定すれば、開催費の事前徴収も可能です。
ただし手数料がかかるのでその分を考慮するようご注意を。
(ついでに言いますと、参加表明された方のドタキャンはご本人が思っている以上に主催者にダメージを与えます。なのでその場合は代わりの参加者を立てられたりすると大変ありがたいです)

Doorkeeperは「こういうサービスが欲しかった!」と思いました。
ただしイベントをパスワードで閲覧するクローズド設定にすることはできません(Peatixはできるようです)。

会場での受け付けについて


当日に会場で参加費を頂く場合、受付のお手伝いをして頂ける方を探す必要があります。
場所が入り組んでいて迷いやすい場合は案内役の人を立てる方が良いこともあります。
また、参加者の方からお名刺を頂きたい場合は受付時に頂くとスムーズです。

受け付け用に、お金を入れる箱・お名刺を入れる箱・印刷した参加者リストとペン・領収証(記入例の見本もあると尚良し)なども用意しておくとベターかと思います。

規模が大きいと受付に列ができてしまうので、受付役の方の人数も増やした方が良いです。
(参加費無料の勉強会なら受付しないという選択肢も場所によってはアリかも知れません)

告知タイミングについて

準備ができたらいよいよ告知!ですが、参加者の方にご予定を空けて頂くためにも開催日の1ヶ月前くらいには告知したいところです。
告知をメールで行う場合には、懇親会参加者締め切り前などのタイミングでリマインドで再度メールしたりもします。

その他メモ


プロジェクター

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以上、参考になれば幸いです!