ゲームエフェクトデザイナーのブログ | A Real-Time VFX Artist's Blog

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おおまかなゲームソフトの売り上げの計算方法

前回「おおまかな開発コストの計算方法」について書きました。
今度は、ゲームソフトを販売してどれくらいの利益になるのか?またペイライン(利益が出るライン)はどれくらいなのか?‥について書きたいと思います。

 

前置き


ここで扱うのはPS3やPS4といった据え置き機のパッケージソフトの小売店での店頭販売についての話になります。
前置きしておきたいのが、まずamazonでの流通についてはどういう仕組みになってるのか全く知らないのと、小売店での販売についても自分の持ってる知識が曖昧かつ古いので、今時とズレてる可能性があるので先に謝っておきたいと思います。すみません。
参考程度に読んで頂ければと思います。
また、ちゃんとした情報が入れば修正したいと思います。
(今時の情報については「CESAゲーム白書」を読めば分かるかも‥)

 

ゲーム1本の利益は?


さて、ゲームソフト1本につき粗利益は大ざっぱに定価の4~5割と自分は聞いています。

例えば、2009年と結構古い書籍になりますが「ゲーム業界の動向とカラクリがよくわかる本秀和システム)」に書かれている内訳では、流通マージン25%、ハードメーカーに支払うロイヤリティと製造費15%、販売管理費10%で、粗利益が50%となっています。

粗利益‥つまりメーカーの取り分から実際に開発にかかった費用や広告費を差し引いたものが純粋な利益になります。
そして粗利益とかかった費用(開発費+広告費)がとんとんな売り上げ本数がペイライン(リクープライン、損益分岐点)となります。

計算しやすいので粗利益は50%として、ソフトの希望小売価格が7000円とします。
1本につき3500円が粗利益になるので、販売本数に対する具体的な金額は下記のような感じ。
販売本数が1万本 ‥ 3500万円
・販売本数が10万本 ‥ 3億5000万円
・販売本数が50万本 ‥ 17億5000万円
・販売本数が100万本 ‥ 35億円

ここで前回の記事を思い出してください。
40億かけた超大作が、7000円で販売して100万本売れたとしても35億で赤字です。
オーマイガッ。
ここは思い切って10000円に設定した場合、80万本販売して40億の粗利益‥
逆に5000円に設定した場合、160万本売って40億の粗利益になります。

開発費40億のタイトルの場合


40億かけた大作タイトルを7000円の値段設定で200万本販売のヒットを記録したとします。
大ざっぱに50%が粗利益とすると70億。
粗利益が定価の4割掛け(40%)の場合は56億。
開発費40億に広告費が含まれていない場合、広告費を差し引くと残った利益はそこまで多くないかも知れません。
世間的には「200万本売れてすげー!」となる訳ですが、開発費がかなりかかってる場合はその数字のインパクトほど利益になっていない可能性がある訳ですね。。
大手だと他のプロジェクトが赤字続きだったりすると、ヒットタイトルの売り上げだけでは補填できない場合もありそうです。

今はダウンロード販売や追加コンテンツの販売、特典付きでお値段が上がったりと色んな要素があって自分はその辺りどんなものなのか全く分かりませんが、大ざっぱにはこんな感じで計算してイメージを掴んでいます。

参考になれば幸いです!